いま必要とされている「免疫力」~”花粉症”は免疫力低下のサイン

いこらぼ

季節の変わり目に起こりやすいアレルギー症状。

花粉症や原因不明のじんましんに悩まされている方も多いのではないでしょうか?

花粉症は今や国民の4割弱が発症していると言われる国民病。

実はこの花粉症、目がかゆくなったり鼻水が止まらないという症状だけに捕われがちですが、「身体の免疫力が落ちているサイン」と言うこともできるのです。

新型コロナウイルスが猛威を振るっている現在、免疫力を高めることが重要と言われていますが、免疫力を高めるためには一体何をしたらいいのでしょうか?

今日は花粉症などのアレルギーと免疫力の関係について解説したいと思います。

<アレルギーと免疫力の関係>
1.免疫のしくみ
2.免疫力が低下する原因
3.免疫力を高める方法

1.免疫のしくみ

私たちが毎日健康に暮らせるのは、免疫システムが常に体内を監視していて病原菌やウイルスを見つけるとすぐに排除してくれるからです。

それだけでなく「免疫」は、排気ガスや農薬などの化学物質、体内に発生したがん細胞など、体の害になるあらゆるものを排除するシステムを持っています。

つまり免疫とは「自分を守るしくみ」と言うことができます。

免疫には「自然免疫」と「獲得免疫」があり、これの総称を免疫と言います。

「自然免疫」は、鼻毛や皮膚・粘膜などの物理的なバリア、分泌物や粘液に含まれる殺菌成分などの化学的バリアなどがあり、ウィルスなどの侵入者をいち早く撃退します。

一方、「獲得免疫」は自然免疫をかいくぐって侵入してきた病原体をより強力に攻撃する役割を持っています。

「獲得免疫」は、初めて出会う敵を苦手としていますが、一度出会えば記憶する性質を持っているため、同じ敵に2回目に遭遇した時には1度目よりも素早く強力に排除することができます。

インフルエンザワクチンなどを打っておけば、その冬はインフルエンザにかからなかったり軽い症状で済むのは、獲得免疫の性質のおかげです。

免疫力とは「自然免疫」と「獲得免疫」を合わせた力を言い、どちらが低下しても花粉症やアレルギーが発症しやすいだけでなく、感染症や病気にかかりやすくなるのです。

2.免疫力が低下する原因

このように、私たちの身体には自然免疫と獲得免疫という2つの防御機能があり、身体を守る上ではそれらがきちんと機能することが重要ですが、実は現代の日本人の多くは免疫力が低下していると言われています。
それはなぜでしょうか?

免疫力を低下させる原因は様々あります。

ストレス、環境状態、食生活だけでなく、気温や気圧による自律神経の作用までもが免疫細胞に影響を及ぼしますが、その中でも特に私たちが注意するべきなのは「食生活」です。

自然免疫を司る鼻・目・のどの粘膜に必要な栄養が足りていなければウイルスや菌と戦うことはできませんので、当然免疫力は低下します。

免疫力を低下させる要因としては、下記のようなものがあります。

<免疫力を低下させる要因>
1.酸化油の摂りすぎ
2.甘い物の摂りすぎ
3.大事なビタミン・ミネラルの欠乏
4.魚の摂取量の減少
春の大敵花粉症 実は知らない…アレルギーと食生活 より

病原体の侵入を入口で防ぐ役割を持つ鼻やのどの粘膜が弱いと、病原体の侵入・増殖の機会が増え、本来は自然免疫細胞で処理できるはずの病原体に対して獲得免疫が出動することになり、過剰な負荷がかかります。
これが免疫力低下の要因になるわけです。

このように、自然免疫が低下し、獲得免疫が必死に頑張っているために起る症状が「花粉症」などのアレルギー症状なのです。

3.免疫力を高める方法

花粉症などのアレルギー症状を改善するためには、自然免疫と獲得免疫の2つの免疫力を高めることが必要です。

「食生活」の観点で自然免疫を高める方法としては、下記のようなものがあります。

<自然免疫を高める方法>
1.粘膜を強化する栄養素を摂取する
2.粘膜を弱くする食事を極力避ける
3.ビタミン・ミネラル・魚の油を摂取する
4.酸化した油や甘いものを避ける

そして獲得免疫を高めるためには、複数の食材(栄養素)を組み合わせて摂取することが大切。
なにか一つの食材を食べれば免疫力がグンとアップする!ということはあり得ません。

免疫細胞は主にタンパク質や脂質、ミネラルからつくられます。

免疫機能を調整したり免疫細胞を活性化する役割は主にビタミンが担当していますが、ビタミンが十分に働くためにはタンパク質やミネラルの協力が必要です。

免疫力を上げ、それを維持するには毎日地道に栄養素を摂取していくことが大切です。免疫力を上げれば自然にアレルギー症状も改善傾向に向かいます。

そして、花粉症などのアレルギー症状が発症しない身体にしておくことは、今回のような新型ウイルスにも負けない身体をつくることにもつながるのです。

Writting

ボタニック・ラボラトリー(株)専務取締役
一般社団法人健康指導師会 副理事長
NPOがんコントロール協会理事
森山瑠水

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