栄養素を無駄なく摂ろう!野菜別下準備&保存のポイント
野菜にはミネラルやビタミンなどの栄養価が豊富に含まれています。
でも、野菜からしっかり栄養をとるには、調理法や保存法にコツがあること、ご存じでしたか?
ちょっとしたことで、本来とれたはずの栄養の9割近くを逃してしまうことも。
普段捨ててしまいがちな皮、種、生長点は栄養の宝庫!
ポイントを押さえて、栄養素を無駄なく摂っていきましょう。
<目次>
▼「生長点」とは?
▼野菜別 下準備&保存のポイント
ーかぼちゃ
ーキャベツ
ーごぼう
ーじゃがいも
ー大根
ー玉ねぎ
ーにんじん
ー白菜
ーピーマン、パプリカ
ーブロッコリー
ーほうれん草
ーカット野菜の栄養価は?
「生長点」とは?
植物が成長しようと盛んに細胞分裂を繰り返している部位のことで、芯や根・根と葉の境目の部分を指します。
保存する際は生長点を切り分けておかないと、栄養を消費してしまうので注意が必要です。
生長点には栄養が多く含まれていますので、捨てずに食べるのがおすすめ。
野菜別 下準備&保存のポイント
かぼちゃ
👉皮・種・ワタに栄養が豊富。捨てずに利用しよう!
特に種は果実類の中で最も亜鉛の量が多いんです。
種は捨てずに、レンジなどで乾燥させてから、油で炒めるなどして召し上がっていただくのがおすすめです。
キャベツ
👉外側の葉に栄養が豊富なため、あまり剥きすぎないように!
👉生長点は芯の部分。保存する場合は切り取ろう!
キャベツの切り方は、「大きめのカット」がおすすめです。
葉野菜に多く含まれているビタミンCやカリウムなどの栄養素は、水に溶けやすく調理中に断面から流出しやすいため、できるだけ断面を少なくすることが重要です。
生長点は芯の部分にありますので、保存する場合は芯の部分を切り取っておきましょう。
芯部分は栄養豊富で、なんと葉の約2倍のカリウム、カルシウム、リン、マグネシウムが含まれています。
捨てずに細かく切ってきんぴらにしたり、みじん切りにしてスープに混ぜるなどがおすすめです。
ごぼう
👉「あく抜きなし」がおすすめ!
👉皮部分も捨てずに食べよう!
あく抜きが必須と思われがちですが、実はアク抜きなしで食べてもOK。
アク抜きをしようと水に浸すと、栄養価が大量に失われてしまいますので、あく抜きなしで食べるのがおすすめです。
皮部分に栄養が豊富に含まれていますので、食べる際は皮付きのままがおすすめ。
泥汚れはスポンジなどで擦り洗いすれば簡単に落とすことができます。
じゃがいも
👉下準備で「茹で」はNG!
👉皮部分も捨てずに食べよう!
下準備として鍋で茹でてしまいがちですが、ゆで汁に大量の栄養素が流出してしまいます。
電子レンジ加熱か、栄養素が流出しないように無水鍋などで蒸していただくのがおすすめ。
また、皮部分にはビタミンB2やマグネシウム、カリウムなどの栄養が豊富ですので、皮付きのまま調理するのがおすすめです。
ただし、緑色の皮や芽部分は食べると嘔吐や下痢を起こす可能性があるので、必ず取り除いて調理してくださいね。
大根
👉「すりおろし」がおすすめ!
👉食べる直前に準備しよう!
大根には抗酸化作用が高く免疫力をアップさせる成分が含まれ、細かく切るほど活性化します。
この成分は熱に弱いため、生で食べるのがおすすめ。
また、時間の経過とともに減ってしまうので、食べる直前にすりおろすように注意しましょう。
玉ねぎ
👉切った後水にさらすのはNG!
👉皮は向きすぎないように注意!
玉ねぎは切った後水にさらすと栄養素が大幅に流出してしまいます。
辛みが気になる場合は、切った後広げて15分ほど空気にさらしましょう。
こうすると、辛みが抜ける上に辛み成分の「硫化アリル」が“血液サラサラ成分”の「アリシン」に変化しやすくなります。
皮部分にはカルシウムやマグネシウムなどの栄養素が全体の9割も含まれています。
つまり、皮を剥けば剥くほど、栄養が損なわれてしまいますので、最小限の枚数しか剥かないように注意しましょう。
茶色い皮をむいてすぐの白くて少し固い部分は、捨てずに細かく刻んでスープなどにして食べるようにしましょう。
付け根部分は生長点で、栄養価が豊富ですので、切り落とさずに食べていただくのがおすすめです。
にんじん
👉栄養価豊富な皮ごと食べよう!
どうしても皮をむく場合は、ピーラーなどで薄くむくようにしましょう。
生長点は葉から付け根の部分です。
購入後にすぐ使わない場合は、この部分を切ってから保存しましょう。
にんにく
👉みじん切りより、すり下ろして10分放置
にんにくには、玉ねぎ同様に辛み成分の「硫化アリル」が含まれています。
空気に触れさせることで、アリシンに変化させましょう。
アリシンを増やすには、できるだけ細かく切るのがポイント。
薄切りよりみじん切り、みじん切りよりすり下ろしがおすすめです。
白菜
👉保存する前に芯部分を取り除こう!
白菜の生長点は芯の部分です。
そのままにしておくと、栄養素を奪われてしまいますので、保存する前に芯部分を取り除きましょう。
切り取った芯部分には栄養価が豊富に含まれています。
捨てずに薄く切って炒め物やスープなどにして食べるのがおすすめです。
ピーマン、パプリカ
👉栄養価を壊さず摂取するには「縦切り」がおすすめ!
👉種、ワタ部分も一緒に食べよう!
繊維に沿って縦切りにしたピーマンは、栄養が流出しにくい上、苦みも抑えられます。
切ってから時間をおくと栄養が流出しやすいので、時間をおかずに食べるようにしましょう。
種、ワタ部分に栄養価が豊富ですので、捨てずに食べるのがおすすめです。
ブロッコリー
👉茎も栄養価豊富。捨てずに食べよう!
👉ゆで汁に栄養素が流出するので注意!
花蕾の房には、がん抑制作用も報告されている成分スルフォラファンが豊富です。
ただし、ここは“生長点”なので、すぐ食べないなら、房の部分だけカットしておきましょう。
また、茎にはビタミンCや食物繊維が豊富です。
薄くスライスして、捨てずに食べましょう。
下準備で茹でてしまいがちですが、ゆで汁に大量の栄養素が流出してしまいます。
電子レンジ加熱か、栄養素が流出しないように無水鍋などで蒸していただくのがおすすめ。
ほうれん草
👉ゆで汁に栄養素が流出するので注意!
茹でる際やゆで汁を切る絞り作業の際に栄養素が流出しやすいことが分かっています。
また、切り口から栄養素が流出しやすいです。
アク抜きの際は、包丁で切らずに沸騰したお湯に入れ、10~20秒などなるべく短時間で上げるようにしましょう。
カット野菜の栄養価は?
調理済みのサラダやカット野菜は、安全衛生管理の面から洗浄・殺菌を繰り返しているため、その過程で栄養が減っている可能性があります。
野菜の栄養を丸ごととるのであれば、手間はかかりますが、自分の手で調理していただくのがおすすめですよ。
いかがでしたか?
今回は、栄養素を無駄なく摂るための下準備・保存の際のポイントをご紹介させていただきました。
野菜は水にさらしたり茹でたりなどの下準備の際に栄養価が流出しがちです。
野菜の持っている栄養素を最大限に摂取するために、ぜひ今回紹介したポイントを活用してみてくださいね!
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参考
日本栄養 ・食糧学会誌
食事中ミネラルの調理損耗の実態と基礎実験
日経woman
こどもめし.com