カルシウムの基礎知識と摂り方のポイント
「骨を作る」だけじゃない?
生命活動の中心「カルシウム」について知ろう!
こんな症状ありませんか?
✓ 疲れやすい、疲れがとれない
✓ 肌が荒れやすい
✓ 抜け毛、白髪が増えた
✓ 忘れっぽい
✓ 頭痛、肩こりがひどい
✓ イライラしやすい、やる気が出ない
✓ 虫歯、歯周病になりやすい
✓ PMSがつらい
これらの不調のせいで、仕事がはかどらなかったり、毎日を気持ちよく過ごせなかったりしていませんか?
気になってはいるけど、「しょうがない」「歳のせい」などと放置してしまいがちなこれらの不調、
実は「カルシウム不足」のせいかも…?
検査で「適正」だった方も要注意。
実は今、長引いた外出自粛の影響により「カルシウム不足」が増えているそう。
カルシウム不足による不調を防ぐためにも、
しっかりとポイントを抑えて、効果的に対策をとっていきましょう!
ー目次ー
▶外出自粛の影響により、カルシウム不足が急増!?
▶必須ミネラル「カルシウム」の特徴とは?
ー全身の健康を支える!「カルシウム」の役割
ー骨や歯を形成する
ー体のさまざまな働きに関わる
ーカルシウムと関係の深い栄養素は?
ーカルシウムが大量排出!?砂糖や加工品に注意!
▶カルシウム不足と関連がある症状・疾患
▶実はこんなに不足している!カルシウムの不足量は?
▶カルシウムを効率よく摂ろう!おすすめ食品と摂り方の秘訣
▶正しい知識を身に付けて、「カル活」をしよう!
ーカルシウムの推奨摂取量を知ろう
ー吸収を促進する栄養素は?
ー吸収を阻害する栄養素は?
ー「摂りすぎ」にも気を付けよう
▶カルシウムの過不足をチェックしよう!
要注意!
外出自粛の影響により、カルシウム不足が急増!?
他のミネラルと同様に体に吸収されにくい栄養素である「カルシウム」は、日本人に最も不足しているミネラルとも言われています。
しかも昨今では、更に輪をかけてカルシウム不足を招く要因があります。
それが、外出自粛等の影響による「ビタミンDの不足」なんです。
ビタミンDは、カルシウムの吸収率を高める働きがありますが、
不足しているとカルシウムが十分吸収されず、体内はカルシウム不足に陥りやすくなります。
「外出自粛」と「ビタミンD不足」の関係
ではなぜ「外出自粛」が「ビタミンD不足」に影響しているのでしょうか?
ビタミンDは、日光を浴びることにより体内で生成されますが、日本では元々紫外線対策等により日光を敬遠される方が多く、慢性的な不足が指摘されていました。
さらに、昨今の外出自粛の影響により日光に当たる時間がますます減少したことで、ビタミンD不足が加速し、それによりカルシウム不足の方が増えていると考えられます。
ビタミンD不足によるカルシウム不足を防ぐために、1日10分でも日光に浴びることを意識しましょう。
全身の健康を支える!
「カルシウム」の役割とは?
骨や歯を形成する重要な栄養素
カルシウムは骨や歯の主要な構成成分 で、リンやマグネシウムなどとともに、丈夫な体の土台となっています。
骨は、新しい骨を作る「骨形成」と、古くなった骨を壊す「骨吸収」を常に繰り返しています。
カルシウムは、この骨代謝に不可欠な存在です。
体のさまざまな働きに関わる重要ミネラル!
カルシウムは、私たちが日常生活を営む上で必要不可欠のミネラルです。
筋肉を動かしたり神経の働きをバックアップし、体のさまざまな機能を調整 しています。
また、緊張・興奮を静めてイライラや過敏症などのストレスをやわらげる効果もあるんです。
カルシウムと関係性の深い栄養素は?
カルシウムはマグネシウムやリンと結合して、骨や歯を形成します。
この3つをバランス良く摂ることが大切で、カルシウム:マグネシウムは2:1、カルシウム:リンは1:1が最適なバランスと考えられています。
カルシウムと一緒に摂りたい「ビタミンD」「ビタミンK」
ビタミンDはカルシウムの吸収を促進し、ビタミンKはカルシウムの働きを助けます。
ビタミンKが不足することはあまりありませんが、ビタミンDは不足がちな方が多い栄養素です。
カルシウム不足が気になる方は、ぜひ一緒に摂ってみてくださいね!
その他、骨を強くするためには、カルシウムを摂るだけでなく、適度な運動によって骨に負荷をかけることが必要です。
カルシウムが大量排出!?砂糖や加工品に注意!
スナック菓子や冷凍食品、加工食品などに含まれる過剰なリンは、体内に入ったカルシウムを排泄してしまいます。
また、精製された糖を摂りすぎると、食事で摂取したカルシウムの80%近くが体外に排泄されてしまうことがあります。
カルシウム不足が気になる方は、加工食品や砂糖の摂りすぎに十分注意しましょう。
カルシウム不足と関連がある症状・疾患
私たちが日常生活を営む上でのさまざまな活動に関わるカルシウム。
不足状態が続くと、重い症状や疾患の原因となる可能性があります。
こんな症状や疾患に注意!
・PMS
・骨粗鬆症
・高血圧症
・動脈硬化症
・痴呆症
・がん
など
カルシウムの不足状態が続いたり、急激に排出量が変動する場合、自覚症状が無くても病変が起こっている可能性があります。
病気にならない体づくりのため、長期的なスパンでミネラルバランスを把握し、適切な管理を心がけましょう。
カルシウム不足にならないために
まずは+250mgを意識しよう!
それでは、カルシウムは実際どのくらい不足しているのでしょうか?
下記はカルシウムの1日当たり推奨摂取量のうち、どのくらいの量が摂れているのかを表したグラフです。
及び「日本人の食事摂取基準(2020年版)」より
これを見ると、カルシウムは男女とも全年代で不足傾向にあることがわかります。
男女平均すると、1日約270mgのカルシウムが不足しています。
不足が気になる方は、まずは目安として1日に+250~300mg程度を意識して摂るようにしましょう。
カルシウムを効率よく摂ろう!
おすすめ食品と1食分のカルシウム含有量
カルシウムの多く含まれるおすすめ食品と、1食分あたりで摂れるカルシウムの含有量をご紹介します。
まずは1日1食品から、普段のお食事に+αをしてみましょう!
これらの食品を上手く組み合わせて、1日+250~300mgを目指してみてくださいね。
「カルシウム」を上手に摂るポイント!
▶かぶの葉+ちりめんじゃこの手作りふりかけ
カルシウム豊富なかぶや大根の葉とちりめんじゃこをさっと炒めて、酒・醤油・みりんで味付け。
鰹節やごまなど栄養価豊富な食材をトッピングして、効率よくミネラルを補いましょう!
▶ビタミンDの含まれる食品と一緒に摂って吸収率UP!
ビタミンDは、イワシ・サンマ・鮭などの魚介類、卵、舞茸・エリンギ・干ししいたけなどのキノコ類に多く含まれています。
▶煮物などの煮込み料理は煮汁も一緒に!
ミネラルは煮汁に流出しやすいと言われています。栄養素の溶け出した煮汁も一緒にいただくのがおすすめです。
カルシウムが多く含まれる食品をもっと見る▼
正しい摂取量を知って、「カル活」をしよう!
カルシウムは1日にどのくらい摂ったら良いのか、ご存じですか?
不足や過剰にならないように、推奨摂取量を知っておくと、より安全で効果的にカル活をすることができますよ。
また、栄養素の中にはカルシウムの吸収を促進したり、阻害したりするものもあるんです。
カルシウムと上手に付き合うために、まずは正しい知識を身に付けましょう。
カルシウムは1日にどれくらい摂ればいい?
「カルシウムの摂取基準」を知ろう!
下記は、厚生労働省の定めた1日に摂るべきカルシウムの摂取基準です。
年齢・性別により摂るべき量は異なりますので、ぜひご参考になさってみてくださいね。
ミネラルは汗で流出しますので、スポーツやサウナなどで汗をよくかく方は、少し多めにとっていただくのがおすすめですよ。
※日本人の食事摂取基準(2020 年版)より
<推奨量>
全年齢性別のほとんどの方が1日の必要量を満たすと推定される1日の摂取量
例えば30代女性なら1日の推奨量は「650mg」、
30代男性の1日の推奨量は「750mg」となります。
<耐容上限量>
1日当たりの摂取上限量の目安
一般的なお食事で上限量を上回ることはまずありませんが、サプリメントなどをご利用の際は1日の耐容上限量を超えないようにしましょう。
吸収を促進する栄養素
ビタミンD
マグネシウム
乳糖
吸収を阻害する栄養素
シュウ酸(ほうれん草のあくなど)
過剰のリン(菓子類、加工食品、清涼飲料など)
過剰の食物繊維(サプリのとり過ぎに注意)
ミネラルはバランスが大事。「摂りすぎ」にも気を付けよう
カルシウムは一般的な食事で過剰になることは殆どありません。
しかし、サプリメントやカルシウムを強化した食品の摂り過ぎにより過剰摂取となると、過剰症となったり、鉄や亜鉛などの吸収を阻害する可能性があります。
サプリメントや健康食品を利用の際は、1日の耐容上限量を超えないように注意しましょう。
ミネラルバランスのチェックには
からだのミネラルバランスを定期的に把握することで、病気になる前の細胞の変化を知り、事前に対策をすることができます。
日々の健康維持に、未病対策に。
今すぐ取り入れたい健康管理法「いこらぼ」についてはこちら▼
参考
厚生労働省 e-ヘルスネット
厚生労働省 eJIMU
オーソモレキュラー栄養医学研究所
公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット
分子生理科学研究所
岐阜新聞web
ミネラルの辞典 朝倉書店 糸川 嘉則(編)
原因がはっきりしない30の症状は、ミネラルで治る! 主婦の友社 登坂正子著
健康のためには、バランスの良い食生活・適度な運動・質の良い睡眠が重要です。
食生活や生活習慣を見直して、美と健康を目指しましょう。