鉄の基礎知識と摂り方のポイント
その不調、鉄不足が原因かも?
不足しやすい”鉄”について知ろう
こんな症状ありませんか?
✓ 疲れやすい、疲れがとれない
✓ イライラしやすい、やる気が出ない
✓ 肩こり、頭痛がする
✓ 肌荒れ、抜け毛が気になる
✓ 物忘れがひどい、集中できない
✓ 階段を上ると息切れする
✓ めまい、立ち眩みがする
✓ 寝起きが悪い
これらの不調のせいで、仕事がはかどらなかったり、毎日を気持ちよく過ごせなかったりしていませんか?
気になってはいるけど、「しょうがない」「歳のせい」などと放置してしまいがちなこれらの不調、
実は「鉄不足」のせいかも…?
検査で「適正」だった方も要注意。
鉄はスポーツ、汗、月経などにより流出しやすい栄養素なんです。
スポーツをされた際や月経時、夏場など汗をかきやすい時期には、普段よりも積極的に鉄を摂る必要があります。
お食事やサプリメントでかしこく鉄をチャージして、不調の無い毎日を目指しましょう。
ー目次ー
▶必須ミネラル「鉄」の特徴とは?
ー血液を構成する重要な栄養素
ー元気とやる気、美容をサポート!
ー関係性の深いミネラルは「銅」
ー鉄は●●で流出する?
▶鉄不足と関連がある症状・疾患
▶実はこんなに不足している!鉄の不足量は?
▶鉄を効率よく摂ろう!おすすめ食品と摂り方の秘訣
▶正しい知識を身に付けて、「鉄活」をしよう!
ー鉄の推奨摂取量を知ろう
ー吸収を促進する栄養素は?
ー吸収を阻害する栄養素は?
ー「摂りすぎ」にも気を付けよう
▶鉄の過不足をチェックしよう!
生命活動に関わる重要な栄養素!
「鉄」の役割とは?
血液を構成する重要な栄養素
鉄は、血液の構成要素である赤血球に含まれる「ヘモグロビン」の材料となる大切な栄養素です。
不足するとヘモグロビンが作られなくなり、貧血を代表とするさまざまな不調の原因となります。
元気とやる気、美容のミカタ!全身のエネルギーを活発に
鉄は、呼吸から取り込んだ酸素を全身に運ぶ重要な役割を果たしています。
酸素は私たちが生活するために必要な「エネルギー」の源となりますが、
鉄が不足すると全身に酸素が運ばれなくなり、疲労感、肩こり、頭痛、シミしわ、抜け毛などのさまざまな症状を引き起こします。
関係性の深いミネラルは「銅」!
銅は、赤血球の形成を助けたり、鉄を体内で利用しやすくするために重要なミネラルです。
鉄不足を気にして鉄だけを摂取しても、銅が不足していると体内で鉄が利用されにくいため、鉄と銅をバランスよく摂るのがおすすめです。
※鉄の利用には、銅の他、たんぱく質、ビタミンB12、葉酸も重要です。
汗、月経、スポーツ…鉄は流出しやすい栄養素!
鉄は汗により流出しやすい栄養素です。
汗をかきやすい時期にはいつもより多くとるようにしましょう。
また、女性は特に、月経時や出産時に鉄が多く流出してしまいますので、日ごろから意識して摂っていただくのがおすすめです。
スポーツをされている方は、「スポーツ貧血」にも注意。
激しい運動による損失や、汗から鉄が流出してしまいますので、お食事やサプリメントからしっかりと摂っていきましょう。
鉄不足と関連がある症状・疾患
私たちが日常生活を営む上でのさまざまな活動に関わる鉄。
不足状態が続くと、重い症状の原因となる可能性があります。
こんな症状に注意!
・集中力の低下
・頭痛、肩こり
・疲れやすい、疲労感
・イライラ、やる気が出ない
・シミしわ、抜け毛
・運動能力の低下
・仕事のパフォーマンスの低下
・胃腸障害
・認知機能障害
・免疫機能障害
・体温調節機能障害
・学習障害
など
鉄の不足状態が続いたり、急激に排出量が変動する場合、自覚症状が無くても病変が起こっている可能性があります。
病気にならない体づくりのため、長期的なスパンでミネラルバランスを把握し、適切な管理を心がけましょう。
鉄不足にならないために
+4mgの鉄を摂ろう!
それでは、鉄は実際どのくらい不足しているのでしょうか?
成人女性を例にとってみてみましょう。
下記は鉄の1日当たり推奨摂取量のうち、どのくらいの量が摂れているのかを表したグラフです。
及び「日本人の食事摂取基準(2020年版)」より
これを見ると、鉄は全年代で不足傾向にあることがわかります。
平均すると、4mgの鉄が不足しています。
不足が気になる方は、まずは目安として1日に+4mgを意識して摂るようにしましょう。
また、鉄不足は女性に特有なものと思われがちですが、近年では男性にも「隠れ貧血」の方が増えています。
気になる症状がある方や、スポーツやサウナで汗をよくかくという方は積極的に鉄を摂るようにしましょう。
鉄を効率よく摂ろう!
おすすめ食品と1食分の鉄含有量
鉄の多く含まれるおすすめ食品と、1食分あたりで摂れる鉄の含有量をご紹介します。
まずは1日1食品から、普段のお食事に+αをしてみましょう!
これらの食品を上手く組み合わせて、1日+4mgを目指してみてくださいね。
「鉄」を上手に摂るポイント!
▶鉄製の調理器具で手軽に摂取!
食事の内容を変えるのは大変…と言う方は、調理器具を鉄製のものに変えていただくのもおすすめです。
鉄フライパン・鉄鍋などには、体に吸収されやすい2価鉄が使用されていますが、
それらが調理の過程で溶け出すため、手軽に鉄を摂取することができます。
▶お肉やお魚などの動物性食品を積極的に!
動物性食品に含まれる「ヘム鉄」は体内に吸収されやすい鉄分です。
まずは1日1品、鉄分の多いレバーや牛肉、カツオなどを取り入れてみましょう!
▶野菜や大豆製品はビタミンCと一緒に摂って吸収率UP!
植物性食品に含まれる「非ヘム鉄」は、ヘム鉄に比べて吸収されにくいですが、
ビタミンCと一緒に摂ることにより吸収率を上げることができます。
食後のデザートに、オレンジ、キウイ、イチゴなどを摂っていただくのもおすすめですよ。
正しい摂取量を知って、「鉄活」をしよう!
鉄は1日にどのくらい摂ったら良いのか、ご存じですか?
不足や過剰にならないように、推奨摂取量を知っておくと、より安全で効果的に鉄活をすることができますよ。
また、栄養素の中には鉄の吸収を促進したり、阻害したりするものもあるんです。
鉄と上手に付き合うために、まずは正しい知識を身に付けましょう。
鉄は1日にどれくらい摂ればいい?
「鉄の摂取基準」を知ろう!
下記は、厚生労働省の定めた1日に摂るべき鉄の摂取基準です。
年齢・性別により摂るべき量は異なりますので、ぜひご参考になさってみてくださいね。
※日本人の食事摂取基準(2020 年版)より
例えば30代女性なら、1日に摂るべき鉄の量は「6.5mg」
月経があるときは「10.5mg」が必要となります。
30代男性の1日の推奨量は「7.5mg」ですが、
スポーツやサウナなどで汗をよくかく方は、少し多めにとっていただくのがおすすめですよ。
吸収を促進する栄養素
ビタミンC
タンパク質
吸収を阻害する栄養素
タンニン(コーヒー、紅茶、緑茶等)
リン酸(インスタント食品、加工食品、お菓子など)
ミネラルはバランスが大事。「摂りすぎ」にも気を付けよう
鉄は食品に含まれる含有量が低く、吸収率も低いため、一般的な食事で過剰になることは殆どありません。
しかし、サプリメントや鉄を強化した食品、鉄剤などの摂り過ぎにより過剰摂取となると、過剰症を起こしたり、銅や亜鉛などの吸収を阻害する可能性がありますので、注意しましょう。
ミネラルバランスのチェックには
からだのミネラルバランスを定期的に把握することで、病気になる前の細胞の変化を知り、事前に対策をすることができます。
日々の健康維持に、未病対策に。
今すぐ取り入れたい健康管理法「いこらぼ」についてはこちら▼
参考
厚生労働省 e-ヘルスネット
厚生労働省 eJIMU
オーソモレキュラー栄養医学研究所
公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット
大正製薬ダイレクト
ミネラルの辞典 朝倉書店 糸川 嘉則(編)
原因がはっきりしない30の症状は、ミネラルで治る! 主婦の友社 登坂正子著
健康のためには、バランスの良い食生活・適度な運動・質の良い睡眠が重要です。
食生活や生活習慣を見直して、美と健康を目指しましょう。