体にも環境にも優しい♪有機野菜を食べよう
有機野菜とは？
環境にも優しいサステナブルな有機農法
有機農法が進まない原因は「私たちの消費行動」？
注意したい、慣行野菜の「残留農薬」
野菜の栄養がしっかり摂れる有機野菜
有機野菜とは？
有機野菜とは農薬や化学肥料を使わずに栽培したもの。
正確には、農林水産省が定めたJAS規格に適合していて、有機JASマークが付いた野菜を指します。
環境にもやさしい、有機野菜
有機野菜は健康にいい、とよく言われていますが、
元々は「環境への負荷をできる限り少なくする方法で生産された農作物」を指します。
つまり有機農法とは環境の負担を極力減らすサステナブルな農法で、
地球温暖化防止効果、生物多様性の保全効果などが期待されています。
体にも、環境にもやさしい有機野菜。
子供たちの明るい未来のためにも、ぜひ積極的に取り入れていきたいですね。
日本は有機農業後進国？
私たちの健康や地球環境のためにも推進が望まれる有機農法ですが、実は諸外国に比べ日本では普及が進んでいない現実があります。
近年の環境意識の高まりから、世界的に有機農法が急速に拡大していますが、日本の総農地に占める有機農地の割合は約0.3％と、諸外国に比べ非常に少なくなっています。
なぜ日本では有機農法が広がらないのでしょうか？
そこには、生産者側の課題に加え、私たち消費者側の厳しすぎるニーズも影響を及ぼしています。
生産者側の課題
・栽培技術の習得や、栽培管理に手間暇がかかる
・長雨などの悪天候の影響を受け収穫が安定しない
・有機認証取得や継続に掛かる費用が高く申請を断念してしまう
また、私たち消費者側が、農作物に対して厳すぎる要求をしていることも理由のひとつではないでしょうか。
日本では、形が悪い野菜は人気がなく売れずに、きれいで形の揃った完璧な野菜が好まれます。
いびつな野菜と形の良い野菜が売られていたら、ほとんどの日本人が後者の形がきれいな方を選ぶことでしょう。
その結果、スーパーや卸も整った形の野菜を買い上げるようになり、
リスクが高い有機野菜はなかなか普及しないという状況が生まれてしまっています。
上記は日本の有機農法の抱える課題の一例ですが、このような順風満帆とは言えない状況の中で、
有機農家さんたちは、「よりよい農作物を提供したい」と生産を続けてくれています。
有機農法の普及には、国の支援が十分ではないなど、まだまだ様々な課題がありますが、
私たちが積極的に「有機野菜を選択する」ということも、環境にやさしい有機農法を広げる一歩としては重要ではないでしょうか。
有機農家さんを応援する意味でも、
採り入れられる範囲で少しずつ有機野菜を選んでいきたいですね。
気を付けたい「残留農薬」
さて、一般的な農法で育てられた「慣行野菜」については、
残留農薬に注意しておきたいところです。
「残留農薬」とは、農薬を使用した結果、農作物などに残った農薬のこと。
継続的な摂取により、ガンや免疫系への悪影響、ホルモン異常、発達障害などとの関連性が指摘されているものもありますので、出来る限り体に摂り入れないようにしていきたいですね。
残留農薬の多い野菜TOP５
1.ほうれんそう
2.ケール、からし菜
3.パプリカ
4.セロリ
5.トマト
これはアメリカでのリサーチ結果ですが、日本の農薬使用量は諸外国の中でも群を抜いて高く、
アメリカの４倍以上の農薬を使用しているという調査結果もありますので、更に注意していきたいところですね。
特に葉物野菜は残留農薬が多いと言われています。
しっかりと農薬を落としてから調理するようにしましょう。
残留農薬を落とすためには、やはりしっかりと水洗いをするのが基本ですが、
農薬工業会の実験結果によると、水洗いしても約30～60％の農薬が残存してしまうそうです。
複数の洗浄方法を組み合わせるか、残留農薬を気にせず食べれる有機栽培や農薬不使用の野菜を選択するのが、体のためには良さそうですね。
野菜の栄養がしっかり摂れる有機野菜
残留農薬を気にし、野菜の「皮」を捨ててしまう方は多いのではないでしょうか？
実は、普段捨ててしまう皮や茎、葉の部分は、実の部分よりも豊富な栄養素を含んでいます。
有機野菜は、豊かな土壌から栄養素をしっかり吸収し、残留農薬を気にせず皮まで丸ごと食べられるため、慣行野菜よりも多くの栄養素を摂取できると言えます。
いこらぼ検査結果でも、有機野菜を普段から召し上がっている方とそうでない方で比較すると、必須ミネラルの数値が良く、ヒ素の蓄積は少ないという結果が見られました。
ミネラルバランス改善にもおすすめの有機野菜、ぜひ食卓に摂り入れてみてくださいね。
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参考資料
有機農業をめぐる事情 令和４年 農林水産省
Dirty Dozen List by EWG
2017年FAO STAT農薬使用量と農地面積データ
日本食品科学会雑誌２巻
