疲れが取れない、やる気が出ない…不調の原因は「鉄分不足」かも

いこらぼ

今回のテーマは「鉄分不足」

「鉄分不足」の代表的な症状としては、”貧血”があります。

現代女性の10人に1人は貧血と言われていますが、ひと口に貧血といっても、その症状はさまざま。

なんとなく眠い、やる気が出ない、イライラする、体が冷えやすい…といったちょっとした不調も、実は貧血からきている可能性があるんです。

なんとなく体調が悪いな…と思いながら貧血に気づかず放っておくと、心不全や不妊症、子供の発育不全など、重大な病気に発展することも。

今日はこの鉄分不足からくる貧血改善に必要な栄養素について解説していきたいと思います。

<隠れ貧血チェック>
※2つ以上☑が入れば貧血の可能性あり!
□疲れやすい
□寝ても疲れが取れない
□爪が割れたりへこんだりしやすい
□顔色が悪い
□月経時の出血量が多い
□慢性的に胃の調子が悪い
□肉を食べることが少ない
□眠りが浅い

貧血の種類って?

あまり知られていませんが、実は”貧血”は、その原因により種類が異なります。

<貧血の種類>
①鉄欠乏性貧血
 …体内の鉄分が不足しているために赤血球やヘモグロビン量が減少し起こる貧血のことをいいます。
②溶血性貧血 
 …赤血球は100~120日で壊され新しく作られますが、赤血球の壊されるスピードが速く、その不足を補えない状態の貧血のことをいいます。
③巨赤芽球性貧血 
 …赤血球は骨髄で作られますが、骨髄でこの機能が働かなくなり、その結果赤血球不足になり起こる貧血のことをいいます。

この中でも特に、①の「鉄欠乏性貧血」が貧血全体の約9割を占めています。

この鉄欠乏性貧血は、赤血球の血色素であるヘモグロビンを構成する「鉄」が足りず、体内でヘモグロビンを作ることができない状態です。

ヘモグロビンは私たちの身体の中で酸素を運ぶ重要な役割を担っています。

その量が少ないということは、各臓器や組織に酸素を運べない=「体内が酸欠状態に陥っている」ということになります。

そのため「軽い動作でも動機や息切れがする」「疲れやすい」「頭が重い」「集中力がなくなる」「なんだかフラフラする」などの貧血症状が出てきます。

それだけでなく肌にシミができやすかったり、目の下にクマがあったり、髪の艶が無くなったり抜け毛が増えるのも、鉄不足からくる症状のひとつなのです。

鉄欠乏性貧血の原因

このように、鉄欠乏性貧血の原因は「鉄分不足」にあると言えるのですが、それではなぜ鉄分不足になってしまうのでしょうか?

実は私たちの肝臓や脾臓には常に鉄が貯蔵されていて、体外に排出されるのはごくわずか。多くの鉄は身体の中で再利用されています。

それにも関わらず鉄分不足になるのには以下のような原因が考えられます。

①食事から十分な栄養が取れていない

現代人の食事はカロリーはあっても栄養素がかたよりがち。
※たくさん食べていても危ない!?【新型栄養失調とは?】

無理なダイエットやインスタント食品、炭水化物や糖質ばかりの食事によって、鉄だけでなく十分な栄養が摂れていないことが考えられます。

②月経や妊娠などで鉄不足に陥りやすい

女性は特に月経による出血で鉄が不足しやすい傾向にあります。

また、妊娠すると胎児に多くの鉄を送る必要があるため貧血が起こりやすくなりますし、母体が鉄不足の場合は胎児までもが貧血に陥ってしまいます。

出産後も母乳で鉄が奪われるため、乳児が鉄不足のまま成長した場合、学習障害、難読症、運動神経が悪いなどの症状が起こりやすくなります。

③胃腸の潰瘍、ポリープなどがある

胃や腸の潰瘍、ポリープ、痔、がんからの出血なども貧血の原因になるため、閉経後の女性や、男性でも貧血になる可能性はあります。

がんは特に大腸がん、胃がん、食道がんなどの消化器系のがんは腫瘍部分から出血しやすいため、貧血を起こすことがあります。

逆に言うと、貧血にはこれらのがんが潜んでいる可能性があるのです。

鉄欠乏性貧血はどうやって直る?

それでは鉄欠乏性貧血はどのように改善できるのでしょうか?

大切なのはやはり、食生活。
日々の食事から鉄分を多く摂取することが重要です。

食事に含まれる鉄にはヘム鉄非ヘム鉄の2種類があり、ヘム鉄は肉や魚などの動物性食品に多く含まれ、非ヘム鉄は野菜や豆などの植物性食品に多く含まれています。

身体への吸収率はヘム鉄の方が良いため、貧血の症状がある方は動物性食品から積極的に鉄分を摂取することをおすすめします。

貧血症状があることから医師に鉄剤を処方される方もいらっしゃいますが、食事を変えずに鉄剤だけ摂取してもなかなか改善しない方が多いのが現状です。

ヘモグロビンは鉄だけからできているのではなくグロビンというタンパク質も材料としています。

魚介類、肉類、卵、大豆製品、乳製品などのタンパク質もしっかり摂取し、さらにビタミンCやクエン酸を多く含むうめぼしなども一緒に摂取すると体内への吸収率がアップすることを覚えておきましょう。

まとめ

いかがだったでしょうか。

鉄欠乏性貧血と改善するための食事をお伝えしましが、実は栄養を摂るだけでは十分ではありません。

良い栄養素の血液を循環させ、冷えを解消することが貧血のみならず多くの体調不良を改善することにもつながります。

強い貧血症状がある方も、もしかして貧血かもしれないと感じた方も是非参考にしていただき、自身の身体をコントロールしてみてください。

 

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Writting

ボタニック・ラボラトリー(株)専務取締役
一般社団法人健康指導師会 副理事長
NPOがんコントロール協会理事
森山瑠水

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