【腸内環境】を整えて、インフルエンザ対策!

いこらぼ

季節の変わり目で肌寒く感じる日も増えてきた今日この頃。

やっと涼しくなってきたな〜と思ったら、
うっかり体調を崩してしまった…なんて方も多いのではないでしょうか?

実は、夏から秋へ移り変わるこの時期は、暑い夏の気候に対応するために使ってしまった体内の必須栄養素達が底をつき、免疫力が下がりやすくなってしまうんです。

また、夏場に乱れた食生活をしていた場合は、エネルギー生産や細胞の新陳代謝などに使われる必須ミネラルやビタミン、アミノ酸などが欠乏している可能性が…。

特に今年の夏は、長い梅雨から始まり、長い残暑、更に大きな台風による気圧の変化などがあり、例年よりも気候の変化が激しく、私達が想像している以上に身体に大きな負担がかかってしまっています。

この気候の変化による体への影響もあってか、今年は例年よりも早くインフルエンザが流行り始めているようです。

インフルエンザはワクチンを接種してもかかってしまうことが多い病気です。
本当の意味で予防するためには、日頃から免疫力をUPさせるための食生活や生活習慣を整えて継続していくことが大切。

そして実は、私達の免疫を司る免疫細胞の70〜80%は腸に存在しているため、「腸内環境」を整えることが免疫力UPにつながるんです。

今回は、インフルエンザなどの感染症にかからないために必要な「腸内環境の整え方」についてお話していきます。

腸内環境によって病気の感染リスクが変わる!?

1996年に大阪府堺市の小学校で学校給食によって病原性大腸菌O-157に集団感染するという大きな食中毒事件がありました。

患者数7996名、死者3名を出してしまう程の大きな事件だったため、当時はニュースなどで大騒ぎになっていました。

この事件の際、その給食を食べてO-157に感染し入院が必要になった生徒は12%、感染したが下痢のみの軽い症状で済んだ生徒が58%、そして全く症状が出なかった生徒が30%いたそうです。

なぜこのような症状の違いが生まれたのでしょうか?

調査に関わった東京医科歯科大学名誉教授 藤田紘一郎先生によると、
「腸内細菌を多く持ち免疫力の高かった生徒は症状が出ず、腸内細菌が少なく免疫力が低かった生徒の症状は重かった」という報告が挙げられています。

つまり、この症状の違いには「腸内細菌の質」が深く関わっており、腸内細菌が多かった生徒の体内ではO-157は増植することができず、死滅してしまったのです。

以上は食中毒の事例ですが、風邪やインフルエンザについても同じことが言えます。

腸内細菌が多いことによって免疫力はUPするため、ウイルスやアレルギー物質が体内に入り込んでも発病せずに死滅させる力が強くなると考えられます。

腸内環境が悪いと栄養素が吸収できない!?

私達の腸は栄養素を消化・吸収するだけでなく、腸内細菌によって合成されたビタミンなどを吸収して体内に運ぶ働きがあります。

そのため、腸の状態が悪くなってしまうと、ミネラルやビタミンなどの必須栄養を吸収したり、他の栄養素を合成したりすることが出来なくなります。

そうすると体全体が栄養不足となり、免疫力も低下してウイルスなどに感染しやすくなります。

この状態を良くしようとたくさんのサプリメントを飲んだとしても、栄養素が吸収されないため、無駄になってしまうんです。

まずは、基本となる食生活を改善し、栄養素をスムーズに消化吸収できるような腸内環境に整えることが大切です。

加工食品や、食品添加物などは腸内環境を悪化させてしまいますので、注意しましょう。

免疫力UPには【粘膜強化】も重要

今回みなさんに是非知ってほしい事は、体内の粘膜組織を丈夫にすること。

粘膜組織は体内にたくさんあり、目や口の中、鼻の中、食道、気管支、そして胃、腸などなど、他にもたくさん存在しています。

粘膜は、体を守るバリア機能であり、粘膜が弱くなると風邪をひきやすくなったり、インフルエンザなどのウイルスにも感染しやすくなります。

冬場にインフルエンザや風邪が流行る理由の一つとしては、体内の粘膜が乾燥しやすくなるために、ウイルスなどが侵入しやすくなるからです。

この粘膜を丈夫に保つためには、必要な栄養素があります。

まず最も重要なのは、ビタミンAで、粘膜を作るためには不可欠な栄養素です。

更に、ビタミンD、亜鉛、マグネシウムを摂取しておくことによって、質のいい丈夫な粘膜が作られます。

これらの栄養素を摂取できるオススメの食品は下記の通りです。
*取り入れやすい食材のみ記載

粘膜組織は早いところでは3日程度で入れ替わり、遅いところで半年以上掛かります。

食生活を改善して効果を感じるまでの期間は人それぞれですが、本格的な冬に向けて今からしっかりと身体の準備をしておきましょう。

Writting

一般社団法人健康指導師会 副理事長
NPOがんコントロール協会理事
橋谷圭伊子

 

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